セミナー

2019年4月10日開催「ダイバーシティ研究会」レポート

拡がるLGBTへの理解と支援
~企業の取り組み最新事情~

日本CHO協会がLGBTをテーマに取り上げるのは、ちょうど2年前の2017年4月に続いて2度目です。この間、自治体の施策や社会現象としてLGBTに関する話題は増え続け、企業としても制度づくりなどへの対応を迫られています。本研究会では、LGBTの啓発・支援活動に取り組んでいるNPO法人代表による解説に加え、LGBTへの取り組みを高く評価されている3社の実践例を紹介し、これから取り組むべき施策を考えました。

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズの松中権氏は、LGBTが「目に見えないマイノリティ」になった時に生じる差別や偏見などの危険性を指摘。「身近な存在」として理解を広げながら、「多様な存在」として制度を見直していく必要性を強調しました。

2003年からいち早くLGBTへの取り組みを始めた日本IBMの下野雅承氏は、同性パートナー登録制度の創設などにより、エンゲージメント向上などの効果があったとしつつも、オープンにできない当事者への配慮が課題になるとして「カミングアウトできる職場」を目指したいと語りました。

アライ(=支援者)を増やすための取り組みを展開している日本たばこ産業では、アライの存在により職場に数多くの好影響がもたらされているとの事。和中悠子氏は「他人ごとにしない」アライの行動が支えとなり、LGBTが働きやすい職場につながっていくとの期待感を語りました。

東日本電信電話の吉宗歩氏は、研修やセミナー、eラーニングなど、LGBTの理解促進活動に対する社員の関心が非常に高いことを紹介。「あえてLGBTにこだわらず、いろいろな人がいる環境」の大切さを指摘し、事例の蓄積によって「次の一手」を考えたいとしています。

フォーラムの内容は参考になりましたか(参加者アンケート結果から)

参加者の意見・感想は・・・

  • 当社は2019年PRIDE認定取得を1つの目標として、LGBTの方のInclusionにまさに力を入れていくところであり、各社の具体的な取り組みや実績が大変参考になった
  • 3社とも先進的な取り組みをしていて大変勉強になった。「目に見えない」というお話もあったが、社内の優先的な取り組みとして進めていくことに高いハードルを感じていた。少しでも前に進むことができるよう、今日の話を持ち帰って検討したい
  • 当社もLGBTについての取り組みを行っているが、優先度や効果など不明な部分もあり、推進者も社員も戸惑っているのが実情。今回3社それぞれの取り組みを知ることができ、非常に参考になったので、一歩一歩着実に実施する事からまず始めてみようと思う
  • 特にカミングアウトされた方の人数や相談窓口への相談件数等、具体的な数字が分かり参考になった。また当社でも取り入れでみたい施策のヒントが得られた
  • 社内にLGBT当事者が多くいる訳ではないので活動はまだ早いという認識だったが、今回発表の3社とも見えない相手に向けて取り組まれていることを知り、感銘・感心した。こうした会社としての活動に、なかなかメリットを感じていなかったことを猛省した。もちろん個人的には取り組むべきテーマとは思いつつも、行動できていなかった
  • 知識がほとんどない中で参加したが、当事者の方や企業の話を聞いて、多様性の受容が如何に大切かを感じ、今後の課題への対応を考えさせられた。皆様とても説明が上手で、わかりやすかった

登壇者の感想は・・・

下野 雅承氏 日本アイ・ビー・エム
株式会社
下野 雅承氏

LGBT担当を離れ3年が経ち、久しぶりの講演でした。5年くらい前には外資系企業しか対応していなかったこの課題を、今や日本たばこ様やNTT東日本様のような、まさに日本を代表する伝統的企業が、私と並んで事例発表されるというのは大きな変化だと感じます。ダイバーシティの中でも進め方が難しいLGBTですが、浮ついたブームではなく意義ある活動が、社会に浸透し定着することを祈っています

和中 悠子氏 日本たばこ産業
株式会社
和中 悠子氏

多くの方にご参加頂き、LGBT+への関心の高さを実感する機会となりました。登壇された皆様の視点や課題感も様々でしたので、私も今後に向けての多くの示唆を頂戴しました。当社の取り組みは道半ばではありますが、このような場を通じた情報共有により、(結果として)多様性を尊重する社会づくりに少しでも寄与できれば幸いです

吉宗 歩氏 東日本電信電話
株式会社
吉宗 歩氏

今回事例紹介のお話を頂いた際、一緒に登壇させて頂くのがIBM様とJT様と伺い、決して先進的ではない弊社の取り組みが、ご紹介事例に相応しいのか不安でしたが、参加者の皆様に少しでも参考になったならば幸いです。 私自身は、2社の取り組みや、松中様のお話を聞き、進め方は無数であり正解はなく、自社の状況に合わせて取り組めば良いのだと、背中を押して頂けたように感じました。貴重な機会を頂き、ありがとうございました

松中 権氏 グッド・エイジング・エールズ
代表
松中 権氏

ここ数年、本当にたくさんの企業が、LGBT等のセクシュアル・マイノリティに関する取り組みをスタートさせ、LGBTにとっての働きやすい職場づくりを目指していらっしゃいます。2010年にNPOを立ち上げた当時には全く想像できなかった事であり、当事者のひとりとして本当に嬉しく思っています。LGBTは目に見えづらいマイノリティ。想像力が大切です。その想像力は職場にいる様々な困り事を抱える方への配慮にも活かせるはずです。誰もが働きやすい職場を、社会を、一緒に築いていきましょう

LGBTに関する企業の取り組みについてのアンケート結果はこちらから

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