ホームセミナーセミナーレポート人事実践セミナー 2020年7月13日

セミナーレポート

人事実践セミナー

ハラスメント通報や裁判例から見えてくる、パワハラ対策の注意点~パワハラ対策の法制化・義務化を踏まえた、再点検・再確認を!~

のぞみ総合法律事務所 結城 大輔 氏
のぞみ総合法律事務所 鳥居 江美 氏

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パワーハラスメント対策が法制化・義務化され、この6月から大企業に対して施行されました。今回のセミナーは、被害者にも加害者にもなりうる、この「ハラスメント」問題をパワハラを中心に取り上げ、のぞみ総合法律事務所の結城大輔氏と鳥居江美氏の両弁護士に、法制化の概要と企業の対応策に関する注意点を、具体的にお話頂きました。

最初に「ハラスメントとはなにか?」を、施行された「パワハラ防止法」に基づきポイントを整理。「事業主が講ずべき措置の概要」のみならず、「事業主が行うことが望ましい取り組みの概要」も周知し理解を深めておかないと、「あれもハラスメント、これもハラスメント」という誤った状態になりかねないと、警鐘を鳴らされました。

次に「パワハラの定義」3項目を解説、「代表的な6つの行為類型」を示し、具体的な判例と共に、ZOOMの投票を活用し、参加者全員でケースワークを行ないました。

「ハラスメントって、受け手側の感受性で決まるのでは?」との参加者からの問いに対する、結城弁護士からの回答「ハラスメントの裁判は、平均的な労働者の感じ方に基づき、最終的には裁判官の主観で決定されるが、その裁判官の感じる労働者像も、時代と共に大きく変化している」という点に、人事の最前線でこの問題に向き合っている参加者一同、多くの気付きを得ました。

また両弁護士は「多くの事例を管理職が知ることが、ハラスメントを未然に防ぐことに繋がる。そして上司、同僚がどのようなコミュニケーションを取っていくべきか、また実態はどうなっているのかを、トップも含めて認識しておくことが大切」と指摘されました。

講演の最後には「ハラスメントを起こさないためのDo'sとして「相手のキャリアに責任をもって向き合う姿勢、記録を取ること」Don'tsとして「2人きりや多数対1の面談は避ける、人格否定をしない」等、直ぐに活かせる具体的な行動指針を提案して頂きました。

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  • 参加者の意見・感想は・・・

    判例を聴き、より被害者側の立場で判断することの重要性を改めて認識した 沢山の判例をご説明頂き、具体的判断基準についての知識を拡げることができた 社内での教育啓発や相談対応に関するヒントも頂き、大変勉強になった 端的でわかりやすく、特に最後の項目は今後の指導に役立つ 職場のコミュニケーションが、やはり大切だと感じた 質疑応答も、簡潔且つ的確で、わかりやすかった 本日のような事例を含めた研修を実施する方法を、教えて頂けるとありがたい 窓口担当者が具体的に相談を受けた際の注意事項も聴ければ、もっと良かった 判例をもとに、〇と×の基準を示して頂いたが、グレーゾーンへの対応に苦慮している。結城先生の「ギリギリセーフ」は求めるべき解ではないという教示で、今後の進め方に晴れ間が見えた気がする。自分たちの会社に合わせて対処していくことが大事であることを改めて認識したので、今日学んだ教訓を、会社内でも徹底していきたい 具体的でわかりやすい内容だったが、もう少し時間をとってゆっくり話して頂ければ、より理解が進んだと思う パワハラの認定には一定の客観性が必要とのことだが、最終的には裁判官の判断に委ねられることが分かり、最低限の禁止行動はしっかりと学ぶことが必要だと感じた 判例の解説やグレーゾーン問題に、もっと焦点をあててほしかった
  • 登壇者の感想は・・・

    のぞみ総合法律事務所 結城 大輔 氏

    「裁判事例の事実関係を紹介した上で、裁判所の視点や判断のポイントを解説することで、参加者の皆様にとって、ご自身やご自身の周囲でもこういったことはいつ起きてもおかしくない等、新たな気付きを得る内容に出来たのではないかと思いますので、その気付きを今後のハラスメント対応に活かして頂きたいと思います」

    のぞみ総合法律事務所 鳥居 江美 氏

    「今回はオンライン開催でしたので、グループディスカッションの代わりに、裁判の結果予想のアンケートをとったり、講義中Q&Aに投稿して頂いた質問をその場ですぐ取り上げたり工夫しましたが、その結果、参加者の皆様と、リアルアイムで認識を共有することができたのではないかと思います」