多様性を尊重することが組織の前提となりつつある今、「インクルージョンとは何か?」という本質的な問いが改めて重要視されています。制度や方針を整えるだけでは不十分であり、一人ひとりが“違いを活かし合える関係性”を築いてこそ、組織は真に多様な力を発揮することが可能となります。
では、そうした関係性をどのように築きあげるのか?
今回のセミナーでは、「感謝と称賛」に着目します。この2つの要因は、組織における“遠心力と求心力”の調和、すなわち個性発揮と一致団結を両立させる実践的なアプローチだからです。
講師は、人と組織をつなぐ関係性の研究者、東京女子大学・正木郁太郎准教授。また、正木准教授とD&I×感謝の共同研究を行ったセプテーニグループ、(株)人的資産研究所 進藤竜也氏とのパネルディスカッションも設定。
「D&I×感謝」に関する知見をもとに、データに裏打ちされたインクルージョン推進のヒントを深掘りします。ぜひ、奮ってご参加ください(参加費無料)。
【プログラムのご紹介】
【PART1】 感謝と称賛から始める組織のインクルージョン~遠心力と求心力の調和~
- 東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
【PART2】 パネルディスカッション 感謝と称賛の組織をつくるには
- [パネリスト]
- 東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
- セプテーニグループ (株)人的資産研究所 代表取締役 進藤 竜也 氏
【登壇者のご紹介】
東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の重要性が叫ばれて久しい昨今ですが、実際にそれを組織内で推進しようとすると、特に「インクルージョンとは何か?」という問いに直面し、戸惑いを覚えることも少なくありません。
目指すべき組織の姿が曖昧なまま施策が進められた結果、推進力が失われてしまうケースも見受けられます。
本講演では、そうした問題意識も踏まえつつ、まずは簡単に「インクルージョン」の概念について、学術的な議論を整理します。
そのうえで、インクルーシブな組織づくりの第一歩であり、組織の基礎体力にもつながる「感謝と称賛」に焦点を当てます。
なぜこの2つの行動がインクルージョンの推進と結びつくのか。どのようなエビデンスがその有効性を支持しているのか。さらに、企業が「風土づくり」としてこれらを実践する際の留意点や推進方法についても、共同研究や企業事例を交えながらご紹介します。
このセミナーを通じて、皆さまとともに「インクルーシブな組織づくり」への第一歩を踏み出し、あるいは既存の取り組みを見直す契機となれば幸いです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会心理学)。
2021年4月より東京女子大学専任講師、2024年4月より現職。専門は社会心理学と産業・組織心理学で、組織のD&Iに関する研究や、職場で感謝を交わすことなどの職場マネジメントを研究している。
主な著書は、『感謝と称賛――人と組織をつなぐ関係性の科学』(2024年、東京大学出版会)、『職場における性別ダイバーシティの心理的影響』(2019年、同上)、他。
セプテーニグループ (株)人的資産研究所 代表取締役 進藤 竜也 氏
当グループでは、D&Iを行動規範の一つとして長らく重視してまいりました。
その過程で正木先生と出会い、私たちの組織文化に根づいていた様々なアクションが、実はD&Iの推進に大きく貢献していることを改めて認識するに至りました。
私からは主に、具体的にどのようなアクションがD&Iにプラスに働いているのか、そしてなぜ組織全体で定着してきたのかといった点を中心に、実例を交えながらお話しさせていただきます。
「“人が育つ”を科学する」をテーマに、データを活用した科学的な人材育成プロジェクトに10年以上従事。
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 上席研究員 個人情報保護士
【開催日時】
2025年7月18日(金) 14:00~15:30
【参加にあたってのお願い】
本研究会は、Zoomを活用したオンラインセミナーです。ネットワーク環境を整えた上で、ご参加ください。