企業経営において「社会的価値の創出」と「人材・組織の活性化」をいかに結びつけていくかは、今や人事・経営双方にとって避けて通れないテーマとなっています。CSV（Creating Shared Value）経営はその有力な方法論として注目されていますが、実際に社員の意識や行動、エンゲージメントにどのような影響を及ぼすのかについては、十分に語られてきたとは言えません。
本フォーラムでは、アサヒ飲料株式会社が継続して取り組んできたCSV活動を題材に、社会的価値を通じた人づくり・組織づくりの可能性を具体的に検証します。研究開発部門による「中高生向け研究支援」という小さな取り組みが、なぜ社員の心を動かし、組織の活力につながったのか。
実務の最前線に立つ当事者の視点と、社会心理学の専門的知見を掛け合わせることで、「なぜCSV活動が社員のエンゲージメントを高めるのか」「その効果を高めるために何が重要なのか」を多角的に掘り下げます。
人事施策や人材開発、部門横断の取り組みにヒントを求める方にとって、実践と理論の双方から学べる90分。
ぜひこの機会にご参加ください。（参加費無料）
【プログラムのご紹介】
【PART1】講演
アサヒ飲料のCSV活動が社員に与える影響
～非人事部門の取組み～
- アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 人事総務部 秘書室室長 松本 加奈子 氏
【PART2】講演
社会心理学の視点から見たアサヒ飲料の施策
～本当に、なぜ、エンゲージメント向上に有効なのか～
- 東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
【PART3】パネルディスカッション
- ［パネリスト］
- アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 人事総務部 秘書室室長 松本 加奈子 氏
東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
【登壇者のご紹介】
アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 人事総務部 秘書室室長 松本 加奈子 氏
- メッセージ
-
アサヒ飲料は「100年のワクワクと笑顔を。」という社会との約束を掲げ、社会価値と財務価値の両立を目指すCSV経営を実践しています。
今回の講演では、そのCSV活動の一例として、研究開発部門が2019年から継続的に取り組んでいる「中高生向け研究支援」をテーマに、CSV活動が社員のエンゲージメントや行動にどのような変化をもたらしたのかを検証した事例をご紹介します。単独部門の小規模な取り組みではありますが、社員の心に目を向け、エンゲージメントを高めていくための一つの取組みとして皆さんの参考になれば幸いです。 - プロフィール
-
2005年 カルピス株式会社入社、2015年会社統合によりアサヒ飲料株式会社に入社。
マーケティング部門、研究開発部門を経て、2023年より現所属。
今回の講演では、研究開発本部 研究戦略部所属当時の取組みをご紹介します。
東京女子大学 准教授 正木 郁太郎 氏
- メッセージ
-
「従業員のエンゲージメントを高めたい」という課題意識をお持ちの一方で、「どのようにして高めるか」については答えが無い、という方も多いのではないでしょうか。
私からは、松本様によるアサヒ飲料の事例を踏まえて、人は何事にも意義や意味を求めてしまう生き物であるという背景のもと、「なぜ・どうしてCSV活動（社会貢献と企業価値の両面を実感する活動）がエンゲージメント向上に有効か」「効果を高める工夫に何がありうるか」を、共同研究の成果を含めてご紹介します。
エンゲージメント向上施策の具体例や裏付けを探している方、あるいは「人事戦略と経営戦略の連動」「人事や広報、CSR部門などの多部門が連携して人材・組織開発に取り組むこと」にご関心がある方などの、今後の一助になる内容を紹介できれば幸いです。 - プロフィール
-
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士（社会心理学）。
2021年4月より東京女子大学専任講師、2024年4月より現職。専門は社会心理学と産業・組織心理学で、組織のD&Iに関する研究や、職場で感謝を交わすことなどの職場マネジメントを研究している。
主な著書は、『感謝と称賛――人と組織をつなぐ関係性の科学』（２０２４年、東京大学出版会）、『職場における性別ダイバーシティの心理的影響』（２０１９年、同上）、他。
【開催日時】
2026年2月12日（木） 13:00～14:30
【参加にあたってのお願い】
本フォーラムは、Zoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上でご参加ください。