ホームセミナーセミナーレポートダイバーシティ研究会 2020年8月3日開催

セミナーレポート

ダイバーシティ研究会

精神障害者と発達障害者の採用・定着・活用に向けて

あおぞら銀行 星 希望 氏
あいおいニッセイ同和損害保険 小谷 彰彦 氏
パソナハートフル 坂口 亨

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身体障害者や知的障害者に比べハードルが高いと思われている精神障害者と発達障害者の雇用に、漠然とした不安を持っている企業は多いかと思いますが、きちんとした理解を深めれば、決して難しいものではありません。

今回の研究会は、精神・発達障害者の採用・定着・活躍について、㈱あおぞら銀行 人事部人事グループ調査役 星 希望氏、あいおいニッセイ同和損害保険㈱ 人事部ダイバーシティ推進室担当次長 小谷彰彦氏、㈱パソナハートフル常務執行役員 坂口亨の3氏より、その豊富な事例からのノウハウや知見を皆様と共に学ぶ機会となりました。

最初に、パソナハートフル坂口が、精神・発達障害者の平均勤続年数は約3年と、身体障害者と較べて、なかなか定着しないのが現実であると指摘。定着支援には様々な課題があるが、本人が本音を言いやすいよう、定期面談や井戸端会議を準備する等、直ぐに対応できることから取り組まないと離職は減らないので、周りを巻き込み行動し検証することが大切であることを熱く語りました。

続いて、あおぞら銀行の星氏から、働く障害者も、受け入れる周囲の人達も、安心して働ける環境を整備するために心掛けたポイントを、説明して頂きました。訓練用のダミー資料を準備し、実際の職場と同じ環境で実施する入社前の職場実習は、これから入社する障害者がこの環境で長く働けるのか、また受け入れる仲間達がどんな人が入社してくるのかを知る機会として、とても重要であることを指摘。個人情報を多く取り扱う金融機関という難しさはあっても、時間と労力をかけて職場実習を徹底した星氏のお話からは、働く人と受け入れる人の双方によって、幸せな雇用を実現するのだという強い想いが伝わってきました。

最後に、あいおいニッセイ同和損保の小谷氏から、精神障害者を受け入る際、自社にはないノウハウを外部の専門家を積極的に活用し取り組んできた経験談を伝えて頂きました。関係者を巻き込んだ説明会や、入社する方に適した業務を集めるためのアンケートの実施等に、ひとつひとつ丁寧に取り組み、運用開始に至った「オフィス事務サポートセンター」開設の事例からは、人事部がリードし現場を巻き込み、障害者雇用の意義を伝える伝道師役を育てることの大切さを改めて学ぶことが出来ました。「障害者だけでなく、管理者や指導者など、関わる誰もが楽しく誇りをもってお互いが成長できる職場をつくりましょう」との小谷氏からのエールに、参加者一同、障害者雇用にかかわることの意義を改めて感じる素晴らしい機会となりました。

また、参加者の皆様から頂いた様々な質問の全てに、30分以上に亘り、3氏から丁寧に応えて頂き、具体的な疑問や不安や悩みと、その解決策のヒントを得ることが出来ました。

  • 研究会の内容は参考になりましたか
    (参加者アンケート結果から)

    グラフ
  • 参加者の意見・感想は・・・

    話しやすい環境づくり、支援機関をはじめとした支援者との連携、管理者(支援者)に対するサポート、能力が発揮できる仕事の切り出し等の大切さを改めて実感した 立ち上げから定着までの各社それぞれの苦労と、現在障害者の皆様が安心して働いている環境がよくわかり、大変参考になった 質疑応答を含め、三社の異なる取り組み事例が大変参考になったが、特に、障害者雇用は人事部門や配属部署だけでなく、皆で一緒に考え、全社で推進していくという点に共感した 業務の切り出し方の具体例を聴き、障害者が活躍できる可能性についての認識が拡がった。また雇用後のフォロー体制の話も、たいへん参考になった それぞれの方のお話が、どれもポイントが整理され分かりやすく、障害者雇用に精通されている方にも、これから障害者雇用を始められる方にも、それぞれ有意義な情報だったと思う 各社の状況により取り組み方が異なる事、また障害者一人ひとりによっても異なり、一律の対応では難しい事に対する社内の理解を、どう得るかが悩ましい 精神障害者や発達障害者への支援体制や採用方法などを、分かりやすく説明してもらえて良かった。このようなセミナーにはいろいろと参加したが、各社各様に苦労されている様子が感じ取れた。今回は特に、ダイバーシティの担当者が多く参加していたようなので、支援機関の登録者を採用する理由や、企業が支援機関と連携する理由等を、もう少し説明してもらえれば、尚良かった 障害者雇用も今後、新型コロナウイルス対策の影響を受けそうなので、各社の見解や議論している点を、もう少し詳しく聴きたかった 精神障害や発達障害のある技術職・事務職は、共に専門的な職域であり、長期的に活躍している方や、社内でキャリアアップしている方の具体例をもっと聴きたかった 例えば、東京では身体障害者雇用は諦めているが、大阪では50歳代であれば雇用の可能性がある等、エリアによる雇用情勢や業務内容等、関東・関西・中部など各エリアに於ける障害者雇用の状況の違いについても情報交換できると有意義だと思う
  • 登壇者の感想は・・・

    あおぞら銀行 星 希望 氏

    「障害者雇用は、それぞれの業種や環境与件ごとに様々なアプローチ方法があると考えています。今回の研究会では、私のこれまでの経験や弊行の取り組みについてお話しさせて頂きましたが、皆様からたくさんのご質問を頂き、新たな気付きがございました。今後も皆様と情報交換させて頂き、共に取り組んでまいります」

    あいおいニッセイ同和損害保険 小谷 彰彦 氏

    「オンラインでのお話は初めてで、参加者の皆様の反応が判らず、最初は少し戸惑いましたが、ご質問もたくさん頂戴し、精神・発達障害者雇用への関心の高さを感じるとともに、良い経験をさせて頂いたことに感謝を致します。『働く広場』9月号にも弊社の記事が掲載されますので、少しでも参考になれば幸いです。落ち着きましたら、職場見学等も歓迎します」

    パソナハートフル 坂口 亨

    「一人ひとりの障害特性を理解し、それを上手に活かしていければ、障害のある社員にもさまざまな業務を任せることが出来ます。その人の適性を見極めて指導していく事は、何も障害者に限ったことではありません。障害者雇用で培った経験やノウハウは、一般社員のマネジメントにも必ず役に立つと思っています」