ホームセミナーセミナーレポート人事戦略フォーラム 2020年10月22日開催

セミナーレポート

人事戦略フォーラム

睡眠の質は、心身の健康と生産性に直結する!
~リモートワークが普及した今だから必要な、従業員の睡眠改善への取り組み~

株式会社ニューロスペース 代表取締役社長 小林 孝徳 氏
株式会社パソナ メディカル健康経営本部 副本部長 佐川 泰徳

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新型コロナウイルス感染予防策として急速に拡大した時差出勤やリモートワーク。その結果、在宅勤務による運動不足や、ON/OFFの切り替えの難しさなど、心身の健康への悪影響も懸念されるようになりました。今回のフォーラムは、心と体の健康に大きく影響を与える「睡眠」について、多くの企業への支援を行ってきた(株)ニューロスペース 代表取締役の小林孝徳氏と、(株)パソナのメディカル健康経営本部副本部長の佐川泰徳と共に、新時代の健康経営・健康管理のあり方を考えるプログラムとしました。

■ウェルネスカルチャーをうまく醸成している健康経営推進企業の共通点

最初に、パソナ佐川は「運動不足等、生活習慣の悪化」や「感染への恐れによる不安の拡大」「感染回避のために病院訪問を避けることからの症状悪化」など、リモートワーク下で起こっている健康課題を指摘、それらを解決するためには非対面型の支援等、Withコロナ時代ならではの新たなアプローチが必要であり、専門事業者へのアウトソーシングは有効であると解説しました。

・コロナ禍において、生活習慣の乱れによる身体の痛みや、感染症不安からのメンタル不調への対策として、WEBとオンラインを活用した施策の全国展開が浸透してきている。
・直近では「ライフスタイル調査」と「健康eラーニング」を活用した健康状態の可視化とリテラシー向上が主な支援策となってきている。

以上のような施策を実施することにより、属人化しやすい保健指導を仕組み化したり、個人がいつでも健康改善に取り組めるコンテンツを利用したり、気軽に楽しく学べて、行動変容に繋がる結果が出ており、健康経営推進企業の証である「ホワイト500」に認定されるためにも、こうした取り組みが不可欠であることを伝えました。

■テレワークが睡眠に与える影響

次にニューロスペース小林代表から「テレワークが睡眠に与える影響」を解説して頂きました。

・在宅ワークで通勤時間が無くなり、睡眠時間は増えている一方で、睡眠が浅くなっている。
・在宅ワークに変わり、日々の起床時間がバラバラになり、日光を浴びることなく仕事を始め、オンとオフの境目が曖昧になっている。
・その結果「睡眠負債」が溜まり、生産性の低下、メンタルヘルスへの悪影響、そして生活習慣病の罹患リスクへと繋がっている。

等々、豊富なデータを基に、睡眠の大切さを解説して頂きました。

従業員の睡眠改善は「攻め:パフォーマンスや生産性の向上」と「守り:メンタルへルスケア」を同時に実現することであり、そのための取り組みとして、①睡眠改善に関する研修動画コンテンツの提供 ②睡眠習慣デザインプログラム研修 という2つのソリューションを提案されました。

まず、「自分は朝型なのか?夜型なのか?中間型なのか?」と自分の睡眠タイプを知るワークショップを実施し、客観的に自らの睡眠タイプを知ることがスタート。そして、睡眠には「睡眠の前半:脳と身体の休息」と「睡眠の後半:心の休息」があることや、仮眠に適切な時間は深い眠りに入らない30分以内であることなど、睡眠リテラシーの向上を目的とした学習機会の提供が、まずは効果的であること、そして、睡眠課題の改善を図るために、知識の習得→可視化(自分ごと化)→習慣化という3つのステップで実施することが大切であること。特に可視化には睡眠計測デバイスやアプリを活用し、心拍・呼吸・体動などのデータから自らの睡眠を客観視し、「良かった睡眠」と「悪かった睡眠」の日を明らかにし、その傾向を知ることが改善に繋がることを解説して頂きました。

質疑応答では、各社の担当者が感じる社員の健康と睡眠について、ざっくばらんに意見交換を行いました。小林代表より様々な企業の事例とその導入効果を解説して頂き、参加者一同、コロナ禍において人事担当者がこの課題に取り組むことの重要性を再認識する機会となりました。

◎フォーラムを終えて

  • フォーラムの内容は参考になりましたか
    (参加者アンケート結果から)

    グラフ
  • 参加者の意見・感想は・・・

    睡眠の改善がパフォーマンス向上とメンタルヘルスケアにつながることが良く分かった 「睡眠時間の確保は、仕事の効率化のために大切である」と理解していたつもりだったが、今回のフォーラムで、小林代表からのエビデンスに基づく解説を聞き、改めてその重要性を痛感した。まず自分自身が今日の気づきを実践してみようと思う 睡眠に関しては個人的にも関心が高く、とても参考になった 社員の健康を願う気持ちは大切にしていたが、今回の両氏のお話を聞いて、まだまだチャレンジできることがある!と思った。人事部だけでなく、全社的な取り組みに拡げていけるよう頑張りたい 在宅勤務により、社員の健康状態が見えにくくなっている。本日伺ったライフスタイル調査やe-Learning、WEBセミナーなど、リモート環境だからこそ、取り組みやすい施策から積極的に取り入れていきたい 生産性向上のために睡眠改善は有効とわかっているが、なかなかどう取り組んだら良いのかわからなかった。会社全体の取り組みとして、その優先度を上げるために、導入企業の取り組み方をもう少し詳しく聞けたら良かった
  • 登壇者の感想は・・・

    (株)ニューロスペース 小林 孝徳 氏

    (株)ニューロスペース 小林 孝徳 氏

    「企業の従業員の健康実現を担当されている方々と密な会話ができて、睡眠文化を企業現場に活かしていくヒントを頂き、深く感謝しております。私たちの健康とパフォーマンスの基本である、睡眠の大切さの認識と行動を、広く社会に拡げていけるよう、これからも精進いたします」
    (株)パソナ 佐川 泰徳

    (株)パソナ 佐川 泰徳

    「毎年、健康経営への温度感の高まりを感じていましたが、特に今年は、有事の状況化において、従業員の健康をどう守れば良いのか、在宅勤務でも可能な健康増進の取り組みを検討・模索している企業が多いように感じています。これからも各社様の健康経営のパートナーとして伴走しサポートできるよう、尽力してまいります」