ホームセミナーセミナーレポート人事実践セミナー 2021年9月10日

セミナーレポート

人事実践セミナー

KPIマネジメントを活用した組織と人材の強化
~不易の課題や、時流のトピックへの実践的な適用方法を学ぶ~

株式会社アットストリーム 代表取締役 (兼)アットストリームパートナーズ合同会社 代表パートナー 大工舎 宏 氏

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重要なKPI(業績管理指標)を設定し、活用する“KPIマネジメント”を導入している企業は数多くありますが、KPIの設定段階や活用段階において、様々な問題が発生しているようです。
今回のセミナーは、(株)アットストローム代表取締役の大工舎氏より、KPIマネジメントの本質に立ち還って、その効果的な導入方法・実践方法・改善方法を参加者の皆様と一緒に考える機会としました。
前半は講義、後半はグループ討議(テーマ=事業目標と部門や個人の目標との連鎖性を向上させるためには?)により、KPIマネジメントへの理解を深めました。
以下は大工舎氏の講義の要旨です。

KPIは日本語では「業績評価指標」「業績管理指標」などと訳されるが、その定義は様々である。本日のセミナーでは、以下のように定義したい。

KPIとは「組織(個人)の成果並びに業務・活動の良否を示す指標」である。

KPIは、①経営上重要と位置付けられる活動・施策に対する成果指標と目標値であるKGI ②KGIを達成するにあたり、決定的な影響を与える活動や施策であるCSF(重要成功要因) ③目標達成のため重要となるCSFに対する管理指標と管理基準値であるプロセスKPI(管理指標・プロセス指標)の3つのセットで考えることが大事だ。KPIマネジメントの本質は「連鎖性の向上」「見える化の進展」「共通言語づくり」であり、目標を達成している組織はこの管理が上手くいっている。

KPI(指標)を活用して、目標と目標達成のための重要施策・活動の具体化とPDCAの強化を図るマネジメント手法「KPIマネジメント」は、企業・事業・機能の目標達成のための戦略課題と、その関連性を一覧化・可視化し、組織内での認識共有を促進するツールである「戦略マップ」との両軸で運用することが課題解決への最短距離だと考える。

KPIマネジメントが上手く機能していない組織の特徴として「狙う姿を数字で示せていない」「プロセスを軽視している」「リーダーがPDCAを回していない」等の共通点がある。
以上を理解した上でグループ討議では、自社がKPIマネジメントを進めていくにあたり、最も課題があると感じることについて、他社事例を聴くことによって、自社のどこに課題があるのか?それを知るきっかけとしてほしい。

最後に、KPIマネジメントを再構築する際の8つのポイントを示したい。
①その目的やねらいを明確にし、且つそれを組織内に伝える。
②枠組み・体系を再確認する。
③事業と部門のつながりを確保する。
④初年度はしっかりと作り込む。
⑤拡げすぎない、ムリをし過ぎない。
⑥一にも二にも、現場目線で見直し、進化させる。
⑦KPIマネジメントの本質は、PDCAを通じた組織内コミュニケーション。
⑧KPIマネジメント、イコール数値による管理という、誤解を生まないように進める。

◎セミナーを終えて

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    大工舎氏の講義は大変わかりやすく、弊社でこれから何に取り組むべきかが、よくわかった。また、グループ討議を通じ、他社の悩みや取り組みを詳しく聞くことができ、とても勉強になった グループ討議で話し合うことで、頭の整理もでき、課題と向き合う、充実した時間となった。一方、同じような課題を持っている会社もあったので、当社だけの悩みではないという安心感も得られた。今後も機会があれば、このようなセミナーに是非参加したい グループ討議の時間で聞く事が出来た、各社が直面する課題やその解決案に、具体的な事例が多く、とても参考になった 当社では経営層の期待と現場目標がズレており、その結果、人事評価の納得性が低いことが問題であるが、KPIに関する大工舎氏の著書を読み、本日の学びをさらに深めてみたい 農産物流通業界は、構造的にも体質や業務プロセスが旧く、課題が山積している。その一方、農業界の法人化や事業承継が本格化する局面が迫っており、川上(産地・農業生産)と川中(流通)それぞれが大きく変わる渦中にある。大企業向けのマネジメント手法を自社にそのまま当てはまるわけにはいかないものの、第一次産業や流通業界にも、KPIマネジメントに大切な、本質的部分は共通すると思った
  • 登壇者の感想は・・・

    >株式会社アットストリーム 代表取締役 大工舎 宏 氏

    株式会社アットストリーム 代表取締役 大工舎 宏 氏

    「グループ討議では、KPIマネジメントにおける様々な側面のお困り事を共有できました。会社や部門の目標と個人の目標のつなげ方、KPIの設定方法の理解を高めるための工夫、事業による風土の違いへの対応など、ご紹介したいくつかの事例が、各社の取り組みを進化させていくための参考になったならば幸いです」