ホームセミナーセミナーレポートオンライン公開講座 2021年10月21日

セミナーレポート

オンライン公開講座

デジタルトランスフォーメーションによる人事業務改革の進め方

株式会社パソナHRソリューション 取締役 副社長 執行役員 吉永 隆一
アメリス株式会社 代表取締役 橘高 康朗 氏
株式会社パソナHRソリューション 副社長 執行役員
(兼)株式会社パソナグループ 常務執行役員 HR本部 副本部長 河合 幹彦
UiPath株式会社 コーポレート統括本部 ファイナンス本部 Payroll Specialist 松浦 耕介 氏

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本年4月から展開している「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)と人事」を考えるシリーズプログラムの第4回目として、今回は「デジタルトランスフォーメーションによる人事業務改革の進め方」についての公開講座と致しました。

冒頭、前々回(第2回目)の講座の続編として、(株)パソナHRソリューションの吉永隆一が「人事DX推進を実現するためのロードマップ」についてお話ししました。経営に深く関与する人事部門は常に忙しく、様々な課題への対応に追われているため、なかなか自分たちの業務改善に優先的に取り組めないという現状があります。そこで、まずは業務負荷を減らすためのDX、具体的には業務の自動化を推進することから始めるのが、人事DXの成功ポイントとなります。

次に業務の自動化にあたり必要となるのが、業務の可視化・マニュアル化です。その進め方について、アメリス(株)の橘高康朗氏よりお話を伺いました。業務の可視化は、いきなりマニュアルを作成しても、なかなか上手くいきません。そこで3つのステップに分けて取り組みます。ステップ1は、業務の全体マップを描くこと。業務単位や部署単位にとどまらず、全社の業務マップを作成します。ステップ2は、業務を構造化すること。業務工程や作業プロセスを整理し、改善できる箇所を明確にします。そしてステップ3が、マニュアル化です。ここでは「プロセス」と「手順」をきちんと分けて体系化することが重要です。

更に業務の可視化・マニュアル化をもとに、人事部門の業務負荷を軽減する取り組みとして、(株)パソナHRソリューションの河合幹彦より、人事部門のアウトソーシング(BPO)活用について、ご紹介しました。BPO活用により、トータルコストの圧縮や専門スキルの担保が可能となり、人事部門はコア業務を強化することができます。

また、人事部門の業務負荷削減のツールとして、RPAも有効です。UiPath(株)の松浦耕介氏からは、RPAを上手く活用し、人事労務におけるペーパーレス化・自動化を実現した様々な事例を紹介してもらいました。属人化していた業務をRPAで自動化することで、業務効率や正確性が向上するだけでなく、人員異動の際の引継ぎもしやすくなるのです。

最後に、登壇者全員によるパネルディスカッションを行いました。進行役の吉永が投げかけた「DXと私」というテーマで、各登壇者からDXを最初に意識したきっかけ等をお話し頂きましたが、共通していたのは、近年DXが非常に急速に進んでいると実感されていること、その波に乗るためには、DXにつながるツールにまず触れてみることが重要であることでした。さらに参加者の皆様からのご質問への回答を通じ、業務プロセスの可視化やBPOやRPAの導入を成功させるための様々なアドバイスを頂きました。

◎公開講座を終えて

  • 公開講座の内容は参考になりましたか
    (参加者アンケート結果から)

    グラフ
  • 参加者の意見・感想は・・・

    現在、弊社は全社で働き方のニューノーマル化を推進しており、私はその旗振り役を担っている。今回のセミナーを通じて、自部門(人事部門)の業務改革のあり方を整理することができた。自部門でのトライアル結果を横展開しながら、全社的な変革に繋げていければと思う 業務改善の全体感が掴め、たいへん参考になった。今後はBPOに加え、RPAを上手く活用できるような業務設計を考えたい 人事部の人員減により、業務改革を進めなければならない状況下、いろいろと参考になった 弊社ではRPA、ペーパーレス化等、人事業務の改革を少しずつ進めているが、本日のセミナーを参考に一層強化していきたい 業務の効率化がテーマと感じていたので、業務改革のアプローチ方法がとても参考になった 現在、人事業務の最適化を検討中だが、今回のセミナーで入口が何となく分かった気がする 実務レベルでのイメージが沸いてきたので、とても良かった どの会社でも、人事部門の担当者一人ひとりがRPAを使いこなせることを想定しているのではないか。それが理想的だが、現実は追いついていない(私が社会人になった頃、Excelで関数を組む人が全員ではなかったように)。そのうち、人事部門の社員に求められるスキルとして、これも必須になるのかな・・・などと考えてしまった
  • 登壇者の感想は・・・

    株式会社パソナHRソリューション 吉永 隆一

    株式会社パソナHRソリューション 吉永 隆一

    「DXによる人事業務改革を進めるにあたっては、しっかりと未来を見据えながらも、まず始めに自動化分野に取り組む事が重要だと再認識しました。何でも内製化する時代ではなく、外部や専門家やツールをうまく使うことで、大きな変化にも迅速に対応することができるので、そのきっかけやポイントを提供できたら嬉しいですね」
    アメリス株式会社 橘高 康朗 氏

    アメリス株式会社 橘高 康朗 氏

    「皆様のご感想やご質問などを通じ、人事業務の改革における皆様の関心ごと・お困りごとには共通点がある事が改めてわかりました。弊社の経験・ノウハウが、皆さまの改革推進に少しでもお役に立てればと思います」
    株式会社パソナHRソリューション 河合 幹彦

    株式会社パソナHRソリューション 河合 幹彦

    「キーワードであった属人化の脱却と戦略人事の実践へ向けての対応策は、各社が苦労している点でもあり、多くのアイディアの結集がポイントだと思います。日々進化していくツールや各種システム等も活用しながら、業務プロセスの改善に向けて、今後もお客様とともに多くのチャレンジをしていきたいと考えています」
    UiPath株式会社 松浦 耕介 氏

    UiPath株式会社 松浦 耕介 氏

    「DX化への方策として、BPOサービスやRPAなど様々な手段がある中で、最重要であることは方策に取り組む前段階で、いかに未来を見据えるかということに、登壇者側ではありますが、改めて気付かされました。私が説明したRPAによる業務効率化については、是非一度RPAに触れて頂き、その可能性を感じていただければ幸いです」